ぶどうは仕込み場に運び込まれるとただちに、圧搾されアルマニャックのための
原料白ワインに仕立てられる。またワインのオリなどを取り除くこともしない。


 芳醇の魔術。樽詰めから熟成の旅へ。  

 アランビックと呼ばれる蒸留器から片時も目をはなさず、耳では神秘の音をうかがい、どんな小さな変化にも細心の注意をはらう蒸留業者たち。 
 この地方では、かって彼ら蒸留業者たちは何台もの蒸留器をもって、ぶどう栽培者のもとや畑をまわり、その場所、その場所でワインを蒸留したものだったという。
そして、このブランデーづくりの重要な鍵を握る蒸留業者と蒸留器は、栽培農家から賓客のように迎えられたというが、想像にかたくないことだ。 
釜をたくのはクマシデの薪とコナラの薪。一方はあかあかと炎をあげて燃え高温を生み出し、もう一方は良質の炭火となって火力を長持ちさせる。農家の主人と家族たちはこの光景をじっと見つめていたものだった。 
 アルマニャックの伝統的蒸留方法の特徴は、原料ワインの供給と蒸留廃液の排除を蒸留器で連続的に繰り返しながら、時間をかけてただ1回だけ蒸留する点にある。
半連続式と呼ばれる独特の蒸留器はすべて純銅製で、その他のいかなる金属も使うことを許されない。 
こうして生まれるアルマニャックは、やはりこの地方、ガスコーニュ産の樫の木で作られた樽に詰められる。
樽の中でおおいなる眠りにつき、香り高い熟成の世界へ旅立つのである。






 そして、このブランデーづくりの重要な鍵を握る蒸留業者と蒸留器は、栽培農家から賓客のように迎えられたというが、想像にかたくないことだ。釜をたくのはクマシデの薪とコナラの薪。
 一方はあかあかと炎をあげて燃え高温を生み出し、もう一方は良質の炭火となって火力を長持ちさせる。農家の主人と家族たちはこの光景をじっと見つめていたものだった。

 アルマニャックの伝統的蒸留方法の特徴は、原料ワインの供給と蒸留廃液の排除を蒸留器で連続的に繰り返しながら、時間をかけてただ1回だけ蒸留する点にある。半連続式と呼ばれる独特の蒸留器はすべて純銅製で、その他のいかなる金属も使うことを許されない。